モドル

五行詩 千首行

★1-★  ★21−★  ★41-★  ★71-★  ★101-★  ★130-★ ★151-★

★41日目〜70日目★


なつかしい
笑顔と
歩く
なつかしい


NO.70 02/01/06


子供らの声
寒風にさらわれ
地面を這う
タンポポの上から
青空へ

NO.69 02/01/05


背負う子の
重さも
子宮が抱く子の
重さも
身に染みて

NO.68-3 02/01/03


正月の風
冷たく
カイトを
操る糸は
張りつめ

NO.68-2 02/01/03


小さな唇が
つむぎ出す
言葉
母の本心を
突いて

NO.68-1 02/01/03


絵本は
眠りへの入り口
繰り返す
言葉に
誘われ

NO.67 01/12/31


母の
休みに
感づいて
熱を出す
幼子

NO.66 01/12/29


空の果てから
冷たい雨
氷のように
羽毛のように
姿を変えて

NO.65 01/12/25


道ばたの
水仙
それよりも目立つ
ゴミの
いろいろ

NO.64 01/12/24


眉の月
今日は
すいか
子供と笑う
夕暮れ

NO.63 01/12/22


家路を辿る
この帰路は
不安を
抱いて
やけに長く

NO.62 01/12/21


小さな頭が
空を
仰ぐ
白い使者を
待って

NO.61 01/12/20


小さな
手帳に記す
小さな
命の
記録


NO.60 01/12/17


暗い空に
点滅する光
その船は
月へも
行くだろうか

NO.59 01/12/16


夜半現れる
月を拝み
子供の
健康を願う
三夜待ち

NO.58 01/12/14


言えないまま
飲み込んだ
言葉
胸の奥を
灼いて

NO.57 01/12/13


中天の
真昼の月
空を切り分ける
雲の
むこうに

NO.56 01/12/12


毎日
指を折って
たしかな鼓動を
聞く日を
待つだけ
NO.55-2 01/12/10


少しずつ
ふくらんでいく
夢のような
希望のような
小さないのち

NO.55-1 01/12/10


この思い
夜明けには
届くだろうか
大切な人を失った
あなたへ


NO.54 01/12/05


空へ
放たれた
あの
風船は
幸せだろうか

NO.53 01/12/04


あんなに欲しがった
ひとりの時間
空いている
チャイルドシートに
少し後悔

NO.52 01/12/03


月の
あかりの中で
眠る
君を見る
幸せ


NO.51 01/12/01


今日の出来事を
語るとき
君の額を
照らす
満ちてゆく月

NO.50 01/11/30


冷たい雨が
私を
社会と隔離して
心の深みへ
沈ませる


NO.49 01/11/29


歌うように
今日の出来事を
語って
相づちを待つ
帰り道


NO.48 01/11/27


帰り道を忘れた
銀杏の小道
木枯らしは
この世界の
果てまで吹いて

NO.47 01/11/26


木の葉に
埋もれた道を
歩き出す
この先は
冬の玄関

NO.46 01/11/25


紅葉が
呼び起こす
記憶
小さな子供だった
自分の過ち

NO.45 01/11/22


その海
命の水を湛えて
船を抱く
月が
満ちる日まで

NO.44 01/11/20


農道の脇の
お地蔵様
今日も
無数の大豆と
小さな祈り

NO.43 01/11/19


その道は
小さな花が
道の脇にずっと咲いていて
暖かな風が吹いている
そんなところだといいのに

NO.42 01/11/18


明け方の
流れ星が見えたら
呼びたかった名前を
土に
埋めよう

NO.41 01/11/17

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