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道頓堀川

道頓堀川
道頓堀川
 ■1982.06.12(130min.)
 ■監督:深作欣二
 ■原作:宮本輝
 ■出演:松坂慶子 真田広之 山崎努 佐藤浩市 渡瀬恒彦 加賀まり子 柄本明 カルーセル麻紀
 ■製作:松竹

レヴュー

 純情可憐な19才の美少年画学生が道頓堀界隈に生息されている人々の生き様に触れて青年への成長を遂げるお話。
可愛くて可愛くてかわいーーーーーーっ頃の真田氏のキュートな表情とキラキラお目々が満載な見逃せない逸品。
 髪型が聖子ちゃんカットであろうと、ニコッと笑った時に見える八重歯がアイドルしていようと、かなりメローなBGMであろうと深作映画には間違いありませんm(_ _)m

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のっけからぬわぁ〜んてキュートなのでございましょう。
女の子みたいに可愛い邦彦くん。
しかも華奢に見えるから不思議です。(着痩せされてます。)
なんだかいっつも困ったような心配なような表情が「守ってあげたく」なっちゃいますぅ。

こんなお子さんが明け方に道頓堀川を描いておられるのです。
朝日にお目々はきらりんこ☆
そりゃ、わんこを追いかけてたまたま通りかかっただけのまち子さん(松坂慶子さん)も
つい逆ナンしたくなるってもんでございます。
気持ちはわかります、すごーーーくわかります。伝わってきます。
落とせそうな雰囲気がそそられますな

 そんな可愛い邦彦くんなら、いくら骨壷かかえててもつい雇ってしまいます。
そんなわけで邦彦くんは喫茶店:リバーに住み込みで働いておられます。
このリバーの常連の皆様方が濃いっ、濃ぃーっ、濃過ぎマス。

って言うか先ずマスター(山崎努さん)が濃いお方です。(なんてステキなお店)
ここでの旧式でのコーヒーの作り方や水廻りの仕事ぶりはきちんと練習を積まれて訓練された動き。

なんて気のつく躾の行き届いたお子さんなんでしょう、
と思わせる自然体な演技が素晴らしい。(さすがだ)
まだはにかんだ笑顔に幼さの残るうぶな感じの邦彦くん、まさに「真っ白」って感じがします。

さあ、とってもうぶな邦彦くんは色んな人々の様々な生き様に触れていく度に少しずつ大人になっていかれます。
♪おとなの階段のぼる〜 君はまだシンデレラさ
(↑このフレーズで笑ったあなた!年バレまっせ(笑))

 すごく時代(って言うか深作監督)を感じるのは、
邦彦くんも高校の時同じクラスだったと言う設定のマサオくん(佐藤浩市さん)も19才(一般的に未成年という認識の年齢)にも関わらず、酒は飲むわ、タバコは吸うわ、博打は打つわ..........今ならR指定にひっかかりそうなこと満載です。
(そっとしておきましょう。)

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さて、邦彦くん中心に物語りは展開していきます。
あまりにもまわりが濃いため、深作監督いわく
「ぽかんとしているのが真田くんの持ち味」
(↑「映画監督 深作欣二」より引用)がより強調されています。
基本的に邦彦くんは相手に身を任せるタイプらしく、
最初の方はおともだちのマサオくんに振り回されっぱなしです。

悪童:マサオくんに対して、美童+健全:邦彦くん。
この二人のじゃれあいもなかなか可愛らしいものです。
途中で濃いオッさん(柄本明さん)に軽く絡まれる場面がありますが、その異様なまでの濃さにマサオくんが邦彦くんをかばいます。
その時のマサオくんを見上げる邦彦くんの目線

く------------------------------------------ っ(>_<)可愛い!

青春ものと呼ぶにはあまりにも濃い舞台、道頓堀界隈(-_-;)
それをはんなりとした大坂弁で和らげてくれる邦彦くんは誰にも優しいお子さんです。
たとえ相手がオカマでも等しく優しいのです。

さてさて、梅ノ木と言う小料理屋のママさんであるまち子さんから逆ナンされ檸檬をいただいて以来、若い男子の登竜門であるがごとく「年上の女」に心ひかれる邦彦くん。

そんな時、よく考えてみればあまりにも勝手でワガママなお願いをしに喫茶:リバーにまち子さんがやってきます。だって、犬がいなくなったから探してほしい、だよ?おいおい......松坂慶子にしかできねーよ。
で、何を思われたのかマスター(山崎努さん)はパシリに邦彦くんを提供されます(!)
お前にはプライドがないのか☆\(−_−;)?
と言いたくなりますが、あまりにも嬉しそうにまち子さんのもとに走って行かれる邦彦くんがかわいいから言わずにおこう。

長い時間一緒に過ごしてしまったため情が湧いてしまった29才の元芸鼓さんと19才の美少年(鼻息)!
しかも、辿り着いたところは薄暗い公園。
絶好のシュチュエーションはととのいました。
ここで邦彦くんからぎこちないKISSのプレゼントです。

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登場される皆さんの様々人生の合間をぬって、まち子さんと邦彦くんは「自分たちはどこか似ている」と勝手に解釈してお互いにひかれあいます。
 んで、いきなりまち子さんは行動にでられます。
さすがに三十路一歩手前女の行動は積極的だわ

学校に電話をいれて邦彦くんを呼び出して、大人のかわいい女のフェロモンで口説きまくり......じゃなかった、お互いの境遇や共通点など見い出して言葉巧みに誘われます......じゃなかった、お互いの気持ちを確認されます。

 気持ちの確認をした後は、身も心も一つにならねば!
と言うことで、あんまりいやらしくない濡れ場に突入です。
一応、緊張した面持ちの邦彦くん。
隣の部屋でお着物を脱がれている様子を察知してジャケットくらいは自分で脱いどこ、
って感じで上着を一枚脱いで正座でお待ちかねです。

 

途中政夫くんから「おまえまだ女知らないだろ」と言われるシーンがございます。
た、確かに表情はうぶくて童貞っぽいかもしれませんがその割には全然初々しくない色ぉ〜んな動き。(ギャップ有り過ぎ)
さらにシャツを脱がされたら「サイボーグか?」と思わずうなってしまいそうな隆々な上腕筋(二の腕ね)上半身だけのアップにも関わらず、
目立ち過ぎだろその筋肉(-_-;)?

そんな身体であ〜んなことやこ〜んなことやってさー、童貞に見えるかってーのっ。
華奢でうぶい美少年脱いだらどこから見てもサイボーグ。
さすがです、真田さん。

しかし、そんなことを気にせず見ていると段々と表情が恍惚とされてきます。
(ま、濡れ場だし)
で、気付くのが恍惚とした時の表情って年齢関係ないのねー、ってこと。
今でも目にしそうな真田氏の濡れ場顔です。(目を閉じた時なんてとくにねー現在を彷佛とさせる顔)随分、顔が変わったよなー。
って現在の映画とか観て思っておりましたが、人って変わらないとこは変わらないんだなー。
でもさー、やる時は腕時計は外そうね、邦彦くん。
(温かい助言)

さて、このお話は邦彦くんの生涯を描いた真田氏の「若さ」を感じるためにつくられた映画です(ホントか?)
そう「若さ」!この映画は真田氏の若さから生まれる「素直さ」「やるせなさ」「切なさ」「あどけなさ」「可憐さ」「純情さ」をひっくるめたネエジーを感じるためにあるのです、たぶん。

ぼけーっとしている(深作監督談)としている美少年がゆっくり大人に変貌していく様を見事に表現されている真田氏、やっぱり若いころからただ者ではありません (ただし曲者かも知れませんが)

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ワンポイント的には雀荘でボコボコにされる時
受け身がJACじゃん!
ってとこと、そのあと蛇口から水を飲むシーンの口が好き。( ̄ii ̄)v

 さて、烈しくも哀しい日々を送っておられる人々。
ちょっぴり大人になった邦彦くんは、恋に傷付き、愛に溺れた女子を受け止めてあげられる男に成長しました。そして、まわりまわってやっと幸福の切符を手にいれます。

しかし、運命とは皮肉なもの。
裏切った相手だろーと、オカマだろーと対等に優しく接してくれる邦彦くん。
その優しさなのか、本能なのか、傷付いてる人を放ってはおけない美少年は、人々の哀しみ色の人生を一身に受けてとめてしまったかのような、あまりに切ない結末を迎えてしまします。(ここで立ち回り長ぇーよ、とはあえて言うまい。だって、最期にスローのエコーかかった儚い声が聞けるから)

 うかりける
 人をはつせの山おろしよ
 はげしかれとはいのらぬのもを
                   ーーーーー源俊頼朝臣

(ねえ神様 どうしてわたしの祈りはとどかないのですか? 
 超訳百人一首:一千年のI miss you… (忍ぶれど)....岸並千珠子 Discover)

何も知らないまち子さんが帰りの遅い邦ちゃんを心配して言う台詞。
「帰ってきたらうんと叱ってやろうねぇ。」
かなり切ない。


なんかすごい映画だ。
深作監督ってやっぱりすごい。
深作監督流アイドル映画→「里見八犬伝」、深作監督流メロドラマ映画→「道頓堀川」。
主演:真田広之。って感じかなー。

さて、この映画はビリヤードが出てきたり、夜の街がでてきたり賑やかだけど切ないお話です。
なんと言っても松坂慶子さんがかわいすぎるっ(>_<)。
カルーセル麻紀さんもおキレイな化け物だし、山崎努さんもいくら七三でポマードべったりの髪型でも渋い。加賀まりこさんもかわいいのに色っぽい。佐藤浩市さんはまだフェロモンゼロだけど。
今観ると「お得」感のある映画だなー。(^_^)vv

道頓堀川道頓堀川
松坂慶子 深作欣二 真田広之

化身 魔界転生 里見八犬伝

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