モドル

五行詩 千首行

★1-★  ★21−★  ★41-★  ★71-★  ★101-★  ★130-★ ★151-★

★71日目〜100日目★


祈りのように続く
農道の
菜の花の彩り
見下ろす
上弦の月は白く

NO.100 02/02/22


主人の
帰宅を待ち
子供の
寝相を気にして
眠りは浅く


NO.99 02/02/20


始まりがあり
終わりがある
そう思うのは
物に
とらわれているから

NO.98 02/02/17


その菩薩は
女性の姿をして
語りかける者を包み込む
ありのままを
受け入れて


NO.97 02/02/15


花の香りする
強風に押されて
帰り道を知る
宵闇に
星は輝き


NO.96 02/02/14


いたずら
いじわる
親離れ
成長を実感しては
少しさみしく

NO.95 02/02/12


ここは楽園
山頂近くの
草原で
焼き芋を手に
空を見上げて


NO.94 02/02/11


やがて
夜は明けて
太陽に会えなくても
一日は始まる
今日も

NO.93 02/02/09


明け方
窓から
覗き込んでくる月が
目に染みて
懐かしく

NO.92 02/02/08


原っぱを
裸足で
走る
転がる
飛び跳ねる


NO.91 02/02/06


旅の途中
川が流れている
橋を渡りながら
振り返る
これまでの道

NO.90 02/02/05


その星は
輝いて
そこにある
月がなくても
寂しげでもなく

NO.89 02/02/04


小さな
石ころでいい
その草も
あの風も
友だちだから

NO.88 02/02/03


いつも
助けてくれるのは
母の手
おばあちゃんになっても
変わらない


NO.87 02/02/01


枯れ草に埋まる
河川敷
水仙の
すがすがしい
光の反射

NO.86 01/12/10


氷のような雨に
道ばたの花が
打たれている
ただ
春を待って


NO.85 02/01/29


近くに感じたり
遠くに感じたり
ネットで
見える姿は
ほんの少し


NO.84 02/01/27


明け方
雨音に起こされて
カーテンを開ける
雪ではないのが
ちょっと残念

NO.83 02/01/26


戸締まりに
星に呼ばれて
月を探して
道路へ出る
夜更け

NO.82 02/01/25


山は
命のすみか
様々な生き物が
自分の営みを
無心にしている


NO.81 02/01/24


手のひらに乗る
大きさの

その重さは
私と同じ

NO.80 02/01/23


小さく
手足を曲げて
丸くなって
眠る
もうしばらく


NO.79 02/01/22


日付ばかりが
カーテンのように
目先を塞ぐ
道は
一本道だけれど


NO.78 02/01/18


子供らの
遊ぶ声より
大きな
大人たちの
おしゃべりの声

NO.77 02/01/17


茅の背丈
大人を越え
風にゆれ
倒され
屋根になる


NO.76 02/01/16


その祈り
星に託され
風に乗り
陽に洗われて
ここに至れり

NO.75 02/01/14


逃げ出す
口実
うつろう
空に
見つけられず
NO.74 02/01/13


言葉を選んで
何度も書き直す
メール
時間ばかり
過ぎて

NO.73 02/01/10


逃げ道のない
一本道
訪れる
出来事
ばかり


NO.72 02/01/09


ネズミも
住めない
コンクリートの
その家で
子が育つか

NO.71 02/01/08

★1-20★  ★21-40★  ★41-70★  ★71-100★  ★101-130★