◆ 美しい髪のために ◆

毛髪は「毛根部」と「毛幹部」に分けられます
 「毛幹部」とは、私たちが一般に「髪の毛」と呼んでいる頭皮の外に出ている部分(以下「毛」と呼びます)です。「毛根部」は、無理に毛を引き抜くと、毛の付け根部分の白つぼく少し膨らみがある部分をさします。普段は頭皮の下に潜っている毛根部も、毛髪の一部なのです。
 毛根部は、表皮が落ち込んだような形の「毛包」に包まれており、その下部にある「毛球」 には「毛乳頭」というくぼみがあります。毛乳頭には毛細血管を通じて栄養分が送られ、細胞分裂がおこなわれて毛母細胞がつくられます。この毛母細胞に押し上げられて、毛は1日に約0.35〜0.4mm伸びています。
■毛は損傷すると治せません!
 「髪も生きているのだから大事にしてやらねば」と言う人がいますが、この表現は少しちがいます。生きているのは、栄養を取り込んで毛を製造している毛根部だけ。毛幹部には細胞も核もなく血管も通っていません。毛は死んだ組織なのです。
 生きた組織なら、ケガをしても新陳代謝により元にもどすことができますが、死んだ組織である毛は、一度損傷すると自力では治せません。そのため、毛が弱ってくるのです。しかも、さまざまな環境刺激によって傷は大きくなりがちで、その結果、切れ毛や枝毛になってしまうのです。
 美しい毛を保つためには、毛の製造工場である毛根部の健康に気を配り、毛を損傷しないよう注意してやることが肝心です。
■髪の健康によい生活習慣とは?
 「頭皮を清潔に」「栄養バランスのよい食事」「適度な運動」が3大ポイント。
年齢や性別に関わらず、体によい生活は髪にもよいのです。
 ミネラルやヨードが豊富な海草類は髪にいいと言われますが、それだけをたくさん食べたからといって、髪が黒く美しくなるわけではありません。髪の主成分であるタンパク質も重要ですし、頭皮の健康を保つビタミン類も必要。バランスよく栄養をとることが基本です。
 ストレスや睡眠不足は、毛乳頭に栄養分を運ぶ毛細血管の血行を悪くする原因に。紫外線による揖傷も大きいので、お肌同様、髪の紫外線対策も忘れないでください。


─── 正しいシャンプーの仕方 ───

正しいシャンプーで毛根を元気に!

シャンプー

(1)ブラッシング                          

 目の粗いくしやブラシで毛のもつれをほぐし、抜け毛を取り除く。

(2)予備洗い

 お湯で洗い流すだけで、髪の毛についたほこりなどはほとんど落ちる。
 毛の間に指をとおして指の腹で地肌も洗う。

(3)シヤンプー剤をつける

 シャンプー剤は手のひらでよく泡立て、数カ所に分散してつける。
 シャンプー剤の分量は500円玉大が目安(毛の量や長さによる)。

(4)洗う

 指の腹を使って(爪を立てない)、毛の生え際から頭頂部に向けて、
頭全体の地肌を洗う。
 マッサージするようにていねいに洗うと血行がよくなり、
毛穴につまった皮脂などもきれいに洗い流される。

(5)すすぎ

 シャワーをいろんな角度から当てて、シャンプー剤が完全にとれるまで念入りにすすぐ。
 このときも、指の腹で地肌をマッサージするように。

リンス・トリートメント


 軽くタオルで水分をとってから、リンスやトリートメントをする。
 適量を手のひらにとり、髪全体につけた後、生え際から持ち上げるように毛にもみ込んでゆく(地肌にはつけない)。
 十分に髪に浸透したら、指の腹で毛のぬめり感がとれるまで洗い流す。

リンス
 毛の外側を補修。毛の表面に皮膜をつくり、毛を保護します。くしやブラシの通りをよくし、しなやかで艶のある髪にします。メーカーによって「コンディショナー」と呼んでいる製品もあります。
トリートメント
 毛の内側を補修。傷んだ毛の内側に浸透し、内部から作用します。髪表面をコーティングして外部からの損傷が進行しないように髪を保護すると同時に、滑らかで光沢のある髪に仕上げます。メーカーによって 「パック」と呼んでいる製品もあります。

リンスとトリートメント、どうちがう?
 どちらも「髪の毛を補修する」ものですが、作用の仕方が異なります。傷みの少ない髪はシャンプー後にリンスを、傷みの激しい髪にはリンスに加えて週に1〜2回のトリートメントを。
「補修する」とはどういう意味?健康な髪にもどれるの?
 揖傷を受けた髪を美しく整えることです。最近では「枝毛を治す」という製品も販売されており、人工的に枝毛をくっつける働きがあります。しかし、これで髪の損傷が根本的に治ったわけではありません。
 補修することで、手触りや見た目が改善されるのはうれしいことですが、それで安心するのではなく、毛をいたわり損傷を大きくしないこと、そして良質で抵抗力のある毛を育てる毛根の健康を心がけることが大切です。

ドライ
 洗髪後は早めに毛髪を乾かす。
 まずタオルドライ。叩くようにして(こすらない)タオルに水分を吸収させてからドライヤーを使う。髪ばかりでなく地肌も乾かすこと。自然乾燥でもよいが、湿気のあるまま寝たり外出したりすると、頭皮に常在菌が繁殖し、フケやにおいの原因に。



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