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PRPMISE〜無極

PROMISE (無極) プレミアムBOXPROMISE (無極) プレミアムBOX
 ■2005.02.11(121min.)
 ■監督:チェン・カイコー  
 ■出演:真田広之 チャン・ドンゴン セシリア・チャン ニコラス・ツェー 
 ■製作: 配給:ワーナーブラザーズ

レビュー(3)

罠とも知らずまんまと城内に入り込む光明。
中には自分演出大好きな無歓が宙に吊るされています。
無歓を見つめ目を細める仕草がたまりませんが、あっさり騙し討ちに合います。そりゃ、そーだろ(-_-;)

そして何ともめでたい紅白の荒縄でがんじがらめにされ追い立てられます。
おぼとれた長い髪を切な気に振り乱す光明将軍。
そのやつれた佇まいさえ魅力的です。
うちひしがれた小鳥のような光明は、傾城の鳥かごであの真実を語られそうになって弱々しい抵抗を見せます。

悩める男ってそそるわ〜(;´Д`)♂ε`*)チゥ〜ッ。

ここはホントに王宮か(; ̄Д ̄)?
と疑問を投げかけたくなるほど手薄な警備のために堂々と家宅不法侵入する昆崙に縄をほどいてもらう光明。
その瞳には「絶望」の二文字しかありません。

あの華々しい負け知らずの大将軍は見る影もなく薄れ、そこにいるのは愛を求め翻弄された哀れな1人の男。
その愛さえ、もう手の届かない場所にあることを思い諦めの境地でフラフラです。

なのにその妖艶さは止まることを知らず、額にうっすらと浮かぶ汗さえも高額出して買い取りたくなってしまうから、マニアの境地は計り知れません。

という個人的なマニア論は置いといて。

いつしか本気で傾城を愛していた光明。
その愛を失うことが哀しくて哀しくて、ユーミンの♪哀しくて〜・・・が聞こえてきそうです。
潤んだ瞳はダイヤモンド、その瞳が上目使いで裁判で真実を語ろうと提案する昆崙に全てを任せます。

-----鬼狼の物語り。
さて、またしてもコスプレ大王無歓が狂言じみた演説を始めます。
やっぱりその金の指棒は君が一番似合うよね!
雪国の誇りを最後に取り戻した鬼狼は、昆崙に全てを託し人生の最期を迎えます。
実は彼も運命に翻弄された哀しい宿命をおった男だったのです。…涙。

***

裁き。
将軍ではなく1人の男として傾城の愛を口にする光明。
事実は違うけど、彼の真実はただひとつ「傾城を愛している」。
なんて切ない眼・・・q(T▽Tq)(pT▽T)p
(米米倶楽部の♪愛してる〜 が聞こえてきそうです)

しかし哀しいかな、ここで「愛」が錯綜します。

昆崙は真実を告げるけど、それが作戦だと思い込んでる傾城は混乱します。
要は「報・連・相(ホウレンソウ)」がはっきりして無かったんで意思疎通が計れなかったんですね。

「えー?私ったら相手間違ってたのぉ?」と今頃気付く傾城(馬鹿)。
真実を意気揚々と語る無歓とバレちゃった光明のがっかり感。
でも光明を助けるために傾城は哀しい事実を受け入れ光明に平手打ち。
切ない・・・・

それにしても二人とも罪人扱い、不思議な裁判だよな〜。

***

さて、布袋寅泰が歌っていそうな「ラストシーン」。
結局は大いなる勘違いから始まった恋愛劇はいったい誰に軍配が挙がるのか?
そして、光明、傾城、無歓、昆崙の四人の運命が絡み合った原点を知る。
そう、なんと無歓は冒頭で幼い傾城から頭突きをくらった子憎たらしいガキんちょだったのだ(!)。
しかもそれが原因で極度の人間不信に陥り生涯を棒にふった哀れな男だったのだよ〜(小せぇ〜)。

なんてクライマックスの人間関係よりも何よりも・・・
両手を縛られ吊るされた光明将軍さま〜〜〜〜〜♪
この軽く拷問スタイルに萌!
乱れた衣装といいやつれた髪といい切ない表情といいマニアには眼福ご馳走様でした!!!

そして光明将軍は始めて見せる無歓の弱気な姿勢に取り入り、一芝居うって
JACに変身!!

目にも止まらぬ早業で2階席から軽やかに舞い降り、中国版殺陣の開始。
さすがはサナー、45とは思えぬ身のこなし。
ひらひらの衣装も華やかにいつしか無歓を追い詰め、黒衣のマフラーで首を閉める・・・あ、この光景はデジャビューだ!
魔界転生のジュリーもやってたよね(笑)。
時を超えて受け継がれていたか・・・(遠い目)

なんて感傷に浸ってる間に騙し騙され形勢は逆転。
光明は無歓に刺され、思いっきり仰向けにひっくり返ります。
そして語った言葉は「二人を逃してくれ。」

光明、いいやつじゃん(T△T)

どこまでも傲慢だった大将軍は自分の幸せよりも愛した女の幸福を望んだ。
光明自身も傾城しか愛することができなかったのかも知れない。
1人の女のために息絶えそうな3人の男たち。
やはり傾城は「無極」を超えられないのか?

何を思ったか昆崙に走った女に昆崙は言う。
「あの人のそばへ。あなたを待っている。」

大の字に倒れている儚くも痛々しい光明に女は言う。
「死なないで。一緒にうちに帰りましょう。」
きっと光明はこの言葉で救われた。
命をかけて守った女のたった一言が欲しかったのかも知れない。
もう何も思い残すこともない光明は一言・・・

「死ぬな。しっかり生きろ。」

そして息絶える光明。
彼のこの言葉こそ傾城が一番欲したものだった。
やはり運命の相手だったのだ。

菩薩様のように穏やかな死に顔で昇天する光明将軍。
愛に生きた真紅の華鎧の大将軍!!

天晴れじゃ(⌒^⌒)b!



主演:真田広之

エンドロール一発目に「真田広之」があるのはいいねぇ。
感動しちゃいます。
基本的に筋があるようで無いような中国映画(笑)に、華麗なる美と技を見せつけた我らサナー!!
今までになく傲慢で少年の心を持った大将軍は、真田さんが演じることでますます魅力的でストーリーの中心部に存在している。
豪華な衣装やセットに負けないその存在感は世界の名優の名に相応しい日本の至宝に他ならない。
またアジアのスターが集結と謳われたいたが間違い無くトップスターは真田広之その人であり、ここにアジアという地域の集大成が結集している。
 動と静、剛と柔、光と影、様々の人間の思想を1人の人物として一貫性を持たせた上で表現するのは並み大抵のことではない。
それをいとも簡単に演じているように見える真田広之のナチュラル性。
映画の中で息をしている彼はまさしく世界に名立たる映画人である。

 そんな真田広之と同じ時代に生まれ、彼の作品を堪能できる現代に心から感謝しつつ明日への糧へとしていこうと思う。

 最後にDVDを購入された方は是非とも「日本語吹き替え」をお勧めしたい。真田広之本人による吹き替えは

・・・たまんねぇ〜O(≧▽≦)O !!

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