■印刷って何だろう?
突然ですが、印刷・印刷物って何なんでしょう?
それはみなさんの生活すべてに関わっているものなのです。
毎朝、お父さんが出社前に読んでいる新聞や雑誌類、お母さんがお買い物情報を仕入れるためのチラシや通販のカタログ、お兄さんやお姉さんが会社で使っている伝票や帳簿、そして学校で学問や知識を学び得るための教科書や参考書、辞書など。
このようにみなさんの目の前にあり、生活すべてに密着している印刷物は、用紙にインクを乗せた基本的で最もオーソドックスな印刷物であるということがいえます。
印刷の世界はそれがすべてではありません。
家の中で使われている家具や壁紙、ジュースや缶詰などのパッケージ、タオルの柄、湯飲み茶碗やおもちゃなど。銀行などでお金を引き出すときに使うキャッシュカードやショッピングに使われるクレジットカード。電話をかけるときに使うテレホンカードや電車に乗るときに使うオレンジカードなどの磁気を用いるカード類。レンタルビデオやフィットネスクラブの会員証などなど。また、ふだんは目にする機会が少ないと思いますが、みなさんがお使いの携帯電話やテレビ、ビデオデッキ、そしてパソコンの内部で使われているプリント基板など。
このようにわたしたちの日常生活のシーンに多種多様の印刷物が用いられているのです。
■印刷の方法
先に「日常生活のシーンに多種多様の印刷物が用いられている」と記しましたが、印刷の方法はその対象物や目的によって様々です。
ここでは最も一般的な印刷方法の種類を述べてみたいと思います。
印刷に必要なものは、大きくわけて「用紙」「版型」「インク」の3つです。
●凸版印刷・・・
活版印刷とも呼ばれる印刷の歴史始まって以来の最も伝統あり、かつ最もシンプルな印刷方法。年輩の方なら経験された方も多いと思いますが、年賀状を作る時に木彫りの版を作られたと思います。
それがまさしく「凸版(活版)」といわれるもので、版型の突起した部分にのみインクを乗せて用紙を圧着させて文字や画像を制作していく印刷方式。当然のごとく出来上がった印刷物と版型は逆像になっています。近年では、封筒や名刺、はがき類などどいった軽印刷物にこの印刷方法が取り入れられています。
●凹版印刷・・・
グラビア印刷とも呼ばれる印刷方式で、上記の活版印刷とはまるっきり逆の版型を作り印刷物を完成させていく方法です。ただし突起した部分の反対(へこんだ部分)にのみインクを乗せるというのは不可能なので、一度版型全体にインクを乗せて、印刷する機械についてるカッターで不要なインクを取り除いて用紙にインクを転写して印刷物を完成させていきます。以前は写真集や絵画集などの美術印刷に多く取り入れられていた印刷方式ですが、近年では製版や印刷機械の性能などが向上したこともあり、後述の平版印刷で行われることが多いようです。
●平版印刷・・・
オフセット印刷とも呼ばれ、現在では最も標準的な印刷方法。版型にミクロンという極小の単位で凹凸をつけ、文字や画像部には親油性、非画像部には親水性を持たせて、そして、版型を一旦水で湿らせて油性のインクを乗せれば文字や画像部にのみインクが付着し、印刷機械のローラーを介して用紙を圧着させて印刷物を完成させる方式です。新聞や雑誌、カタログ、ポスター、チラシまた伝票や帳票などの多くの印刷物にこの手法が取り入れられています。
●孔版印刷・・・
スクリーン印刷とも呼ばれる印刷方式ですが、主に用紙以外の金属やガラス、木材や布などの平面以外のものに印刷する特殊印刷方式として定着しています。インクを通す部分にのみ版型に穴を開け、用紙を圧着させ印刷物を完成させていく方式です。もうおわかりかもしれませんが、この原理を応用したものが、昔は学校や会社等で配布されていたプリントに用いられていた「ガリ版」と呼ばれるものや大ブームを巻き起こした「プリントごっこ」です。
■印刷の種類
先にも述べましたが、出来上がった印刷物は日常生活の多様な方面でいろいろな使われ方をしています。この項ではその印刷物がどのような商品分類に属するかを紹介したいと思います。ただしここでは印刷工業組合の実態調査による報告書をもとに紹介をしていますので、実際にJIS規格などで定められた分類とは若干異なる部分がありますし、企業によってはその細かい分類については独自の様式を定めてあるところもありますので、ごく一般的な範囲内ということでご案内してみたいと思います。
●出版印刷物・・・
日刊、週刊、月刊、季刊、年刊など発行期間の区分に関わらず、定期的あるいは単発で出版される書籍や雑誌、単行本などがこの部類になります。また国や県、市町村、各種団体、または学校や企業が発行している広報誌なども広くこの分類に所属しています。この他にも同窓会の名簿や記念誌などもこの分類に属します。おそらくみなさんが、日常から手にしている印刷物のひとつではないでしょうか。近年ではインターネットを用いた電子出版も行われていますが、これらもこの部類に属します。
●商業印刷物・・・
これはもう一般的にいう「チラシ」に代表されるものです。その他に代表されるものとしては、パンフレットやカタログ、年末にもらえるカレンダーなど企業や店舗などの宣伝広告活動に利用される印刷物がこの分類に属します。ここ近年ではダイレクトメールの比率もかなり高くなってきました。また、商店街やスーパーなどで買い物をするたびにハンコを打ってもらえるポイントカードやレンタルビデオやCD店の会員証、病院の診察券もこの分類に属します。
●事務用印刷物・・・
みなさんが市役所や公的機関に出向いた際に記入している各種書類、また身近なところでは銀行や郵便局での預貯金の預け入れや払い戻し、宅配便などを依頼するときに書く伝票帳票、また役場や企業な内部処理を行う際に記入する帳簿類の印刷物、またその書類や伝票などを郵便などで届ける際に用いる封筒。その他にあげるとすると、最近ではビジネスマンのみならずファッションの一部として人気がある名刺もこの分類に属します。出版や商業などと比べると比較的地味な存在ですが、証拠物件ともなる「裏方さん」としてその担っている役割は重要なのです。
●証券印刷物・・・
ま、代表的な物は「日本銀行券」、つまり紙幣ですね。その他にも銀行や郵便局にお金を預けたときにもらえる通帳や定期預金の証書、生命保険や自動車保険などのいわゆる換金性としての価値があるものがこの分類の代表選手です。テレホンカードやオレンジカード、ハイウエイカードなどのプリペイドカードもこの分類で、その他にも商店街やデパートの商品券類、バスや電車の乗車券類もこの範囲に入ります。また、細かく紹介すると、例えばスーパーの100円引きチケットなどもこの分類に属すると考えられます。
●包装印刷物・・・
これはパッケージですね。上記のような印刷物と比べるとその商品の特殊性から、大手の印刷会社がこの業態を有しているか、この業態専門の印刷会社が多数存在のが特徴です。ギフト物件のパッケージやCD、ビデオなどのジャケットもこの分類に属するものがあります。
●特殊印刷物・・・
上記のいずれにも属さない、例えばパソコンなどに利用されているICチップ、プラスチックカバーや布シート、大型看板や内壁材、簡単に述べるとすると紙以外に行う印刷物がこの分類に属しています。この分野にも専門の印刷会社が多く存在します。
みなさんが今お手元に持っておられる印刷物はどの分類に属するものでしょうか。ご家族のみなさんやお友達のみなさんと一緒に考えてみてください。
ひょとするともっと印刷物のことを詳しく知りたいと思うかもしれませんよ・・・(笑)。
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